解禁初日に水揚げされたイシモズク=輪島港

解禁初日に水揚げされたイシモズク=輪島港

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輪島に夏到来 海女の素潜り漁が解禁

北國新聞(2021年7月2日)

 輪島市に夏到来を告げる海女(あま)の素潜り漁が1日、解禁され、初日は約120人がイシモズク計約2・8トンを水揚げした。アワビとサザエの漁は2日から始まる予定で、コロナ禍の昨年は漁期を約1カ月半残して切り上げたため今季は資源量が多いと見込む。国の重要無形民俗文化財「輪島の海女漁の技術」を担う海女たちは「おいしく育った奥能登の夏の味覚を届けたい」と豊漁に期待を寄せた。

  〈初日はモズク2・8トン〉

 輪島の海女漁は、輪島沖の舳倉(へぐら)島や七ツ島を主な漁場とし、7~9月にアワビやサザエを採取する。

 同市海士町(あままち)磯入り組合によると、舳倉島で暮らす海女約30人は主にアワビ、サザエ漁を行っているが、数日前にコロナワクチン接種を受けたため、体調を考慮して漁の開始日を2日以降とした。これに輪島市本土の海女が足並みをそろえ、初日はイシモズク漁のみに専念することにした。

 1日は午前7時ごろから本土の海女約120人が輪島港から出漁。沿岸の水深7~8メートルに潜り、石や岩石の表面に付着するイシモズクを採取した。

 今年は同組合が6月に行った資源量調査でイシモズクが少なかったことから、1日1人15キロまでと制限が設けられた。

 昨年はコロナ禍による外出自粛や飲食店の休業を受け、取引価格が低迷。450年以上の歴史を誇る伝統の素潜り漁が、漁期途中で初めて中止された。

 県漁協輪島支所によると、昨年の輪島、舳倉島両港を合わせた水揚げ量は、アワビが前年の約2割となる約509キロ、サザエが前年の3割弱の約3・6トンにとどまった。

 素潜り漁のみで生計を立てている海女も多く、輪島の海女漁保存振興会の池澄幸代会長(58)は「海女は海に入ってなんぼ。昨年の不振を挽回し、一人でも多くの人に輪島の海の幸を届けたい」と意気込んだ。

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