海産物加工品や和洋菓子など福井県敦賀市内の事業者の"自慢の品"が、通常よりも少額の寄付で、ふるさと納税の返礼品として提供されている。コロナ禍で業績が落ち込んだ事業者を支援する国の補助事業を活用した特別企画で、参加事業者は「敦賀の味を知ってもらいたい」と利用を呼び掛けている。７月１４日まで。

　特別企画は、ふるさと納税仲介サイト「ふるさとチョイス」の運営会社が取り組む「チャレンジ応援品」で、県内からは敦賀市の事業者が先駆けて参画している。コロナ禍で売り上げ減や在庫を抱えることになった事業者を支援する、農林水産省の「国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業」で、返礼品の調達費が補助されるため、寄付者に対して安く返礼品が提供される。

　市内６事業者が▽サバのへしこ▽地魚の干物やみそ漬け、かす漬け盛り合わせ▽昆布を練り込んだ羽二重餅などの詰め合わせ▽敦賀真鯛（まだい）１匹丸ごと▽こだわり海鮮丼▽たまごプリンセット―などの返礼品を用意。通常８千円～２万５千円の寄付のところ、５千円～１万４千円と４割程度少ない寄付で返礼品を受けられる。事業担当者は「試しに利用することで、リピーターになってほしい」との思いを込め設定したという。

　５日は同市名子の海辺の宿・長兵衛で事業発表会があった。各事業者は「へしこは福井県の食文化を代表する一つ。全国の皆さんに知ってもらい、敦賀に足を運んでもらう機会になれば」「冷たい日本海で時間をかけて育てた敦賀真鯛をたくさんの人に食べてほしい」とアピール。「県産もち米を使った羽二重餅や県産卵のカステラで少しでも福井の消費拡大につなげたい」との思いを語る事業者もいた。

　６月１５日から１カ月の期間限定企画。今月４日までに目標としていた２千万円の寄付を既に達成し、予定数が品切れとなった返礼品もある。「チャレンジ応援品」は仲介サイト「ふるさとチョイス」内で検索する。