福井県敦賀湾で養殖される「敦賀真鯛(まだい)」の稚魚が7月5日、和歌山県から敦賀市沓などの湾内に設けられたいけすに移された。丸2年育て、3年目に出荷する。
敦賀湾でのマダイ養殖は約40年前に始まった。2018年からは「敦賀真鯛」と名付けてブランド化し、普及を図っている。マダイの養殖地域としては最北で、市海水養魚協会によると、身の締まりや脂の乗り具合、味の良さなど高い品質が特徴だという。
今季は和歌山県の近畿大水産養殖種苗センターから体長8センチほどに育った稚魚約4万3千匹が入荷。沓の養殖いけすにはこのうち6千匹を放った。高タンパク質の魚粉が多く含まれた餌を与えて育てる。
同協会の会長は「敦賀の環境で育つと、天然と養殖の中間くらいの脂の乗りでおいしいと言われている。40年でそれが分かった」と胸を張る。今季入荷した稚魚は北陸新幹線敦賀開業後に出荷される見込みで「質のいい魚を届けるためにも毎日気を配りたい」と話していた。