木島平村穂高の稲泉寺(とうせんじ)で、古代のハスとして知られる「大賀ハス」の花が咲き始めている。梅雨の晴れ間となった7日は大輪のピンク色の花びらを広げ、葉に残った雨粒が日差しに輝いていた。周辺ではセミの鳴き声が響きトンボが飛び回り、本格的な夏の訪れはもうすぐだ。
稲泉寺では約50アールの水田だった場所に10万本ほどのハスを栽培。前住職の小野沢昭雄さん(82)によると、今年は例年より10日ほど早い6月20日ごろに開花が始まった。ただ、その後は水温が低くて生育が遅れ、現在は三分咲き程度。咲きそろうのは7月中旬になりそうで、お盆ごろまで楽しめるという。
恒例の「稲泉寺ハス花祭り」は、新型コロナウイルスの流行が続く影響で昨年に続き今年も中止に。それでも小野沢さんは「旅行など遠出ができない分、近場の楽しみにしてもらえたらうれしい」と話していた。