五重塔をはじめ10棟の国重要文化財が立ち並ぶ妙成寺。羽咋市が周辺整備事業に乗りだす=同市滝谷町

五重塔をはじめ10棟の国重要文化財が立ち並ぶ妙成寺。羽咋市が周辺整備事業に乗りだす=同市滝谷町

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知られざる旧跡に看板 妙成寺 国宝指定へ機運醸成 日像の杖塚や展望地点

北國新聞(2021年7月9日)

 〈羽咋市が周辺整備事業〉

 羽咋市は今年度、日蓮宗本山妙成寺の国宝指定を後押しするため、周辺整備事業に乗りだす。寺を開いた日像上人ゆかりの杖塚や国重要文化財の五重塔が映えるビュースポットなど、寺の周辺であまり知られていない場所に説明看板を設置するなどし、市民や観光客に魅力をアピールする。寺の歴史により深く触れられる環境を整え、国宝指定の機運の盛り上げにつなげる。

 鎌倉時代の1294(永仁2)年に創建された妙成寺は、加賀藩3代藩主前田利常の母寿福院らの保護を受けた歴史があり、五重塔など10棟の国重要文化財、3棟の県指定文化財などが厳かな信仰空間を現代に伝えている。

 市によると、寺の周辺にも寺にまつわる伝承や由緒がある場所が点在し、五重塔などの歴史的景観にも恵まれている。そこで市は寺の歴史を多くの人に知ってもらうきっかけとして、周辺整備事業を進める方法を検討してきた。

 市は手始めとして、旧跡やビュースポットに説明看板を設けることにした。史跡の知られざるいわれなどを詳しく記し、旧跡を周遊することにつなげる。妙成寺を含む市北部の滞在時間を延ばすことも狙う。

 寺の半径約1キロ圏内には、日像上人が愛用したエンジュの杖を立てて建立場所を示したと伝わる「槐(えんじゅ)の杖塚」をはじめ、開山初期に寺を支えた豪族の柴原将監の館跡などゆかりの地がある。

 いずれもあまり知られておらず、市は案内看板の設置を機に光を当てる。担当者は「寺の周囲にある名所の回遊性を高める一助にしたい」と話した。

 妙成寺の国宝指定を目指す学術調査は北國新聞社が特別協力し、一般財団法人北國総合研究所が事務局を務める。「妙成寺文化財総合調査報告書」は文化庁に提出されている。

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