越前打刃物の発祥の地をPRする千代鶴神社の看板=7月12日、福井県越前市京町2丁目の同神社

越前打刃物の発祥の地をPRする千代鶴神社の看板=7月12日、福井県越前市京町2丁目の同神社

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千代鶴神社に越前打刃物の発祥示す看板 福井県越前市、伝統工芸の起源を発信

福井新聞(2021年7月13日)

 越前打刃物の開祖とされる刀鍛冶、千代鶴国安をまつる福井県越前市京町2丁目の千代鶴神社に7月12日、発祥の地を示す看板が設置された。海外からも注目される伝統工芸の起源を英文を添えて紹介し、インバウンド(訪日外国人客)を含めた観光客向けに発信していく。

 千代鶴神社は、南北朝時代に京都から移り住んだ千代鶴が刀剣を鍛えるのに使ったという井戸「千代鶴の池」が境内に残る越前打刃物の聖地。近年は、国内外の一流シェフが愛用するなどして越前打刃物の知名度が上がり、参拝客が増加。御朱印も発行されている。

 看板は、境内入り口の道路側に市が設置。千代鶴が良質な水を求めてこの地を拠点に選び、鍛造の技術を鎌に応用した歴史を記した。高さ2・3メートル、幅2・2メートルで、ヒノキの柱と屋根を組んだ。千代鶴の池の近くにも池の言い伝えを示す看板を設けた。

 設置に合わせ、越前打刃物産地協同組合連合会は25日まで、同神社と刃物の里、越前打刃物会館、タケフナイフビレッジの4カ所を巡るスタンプラリーを開催。記念品として抹茶味とわさび味の「千代鶴せんべい」を贈る。

 除幕式が行われ、奈良俊幸市長は「越前打刃物の歴史性や背景を外国の人にも発信したい」とあいさつ。これまでに海外のシェフを千代鶴神社に度々連れてきたという同連合会の高村光一理事長は「英語表記は理解を深めてもらうのに役立つ。この地を大切にして、産地のさらなる発展につなげたい」と話した。

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