正倉院宝物を再現した特別展で披露されている「銀薫炉」=長岡市の県立近代美術館

正倉院宝物を再現した特別展で披露されている「銀薫炉」=長岡市の県立近代美術館

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正倉院の宝物 精巧に再現 長岡 県立近代美術館

新潟日報(2021年7月13日)

 正倉院(奈良市)の宝物の精巧なレプリカを特別展示する「よみがえる正倉院宝物 再現模造にみる天平の技」が、新潟県長岡市の県立近代美術館で開かれている。職人の技術と現代の科学で材料から構造まで忠実に再現し、奈良時代の技巧と芸術美を伝えている。

 正倉院の宝物は奈良時代の作品が多い。古いため持ち出すのが難しいことや、技術の伝承のため、明治時代に模造品の制作が始まった。特別展は、宮内庁正倉院事務所などによる全国巡回展の一環。近代美術館で開くのは初めて。調度品や楽器、仏具、武具などを再現した約80品がある。

 「銀薫炉(ぎんのくんろ)」は、ともに燕市の鍛金作家で人間国宝の玉川宣夫さんと、彫金作家の市川正美さんが手掛けた。獅子や鳳凰の文様を透かし彫りした香炉が輝き、炉の中の火皿が水平に保たれる巧妙な仕組みも再現した。

 「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」はエックス線で内部の構造を調べ、夜光貝や亀の甲羅など材料も現物に近いものを集め、8年がかりで制作した。きらびやかな装飾の光彩が目を引く。

 開幕した3日に訪れた新潟市東区の会社員(30)は「失われゆく技術があると聞くが、まだまだ復元できる人がいるなんて素晴らしい」と目を輝かせた。

 8月29日まで。原則月曜休館。当日券は一般1500円、高校生と大学生は1300円。中学生以下無料。

詳細情報

リンク
新潟県立近代美術館 https://kinbi.pref.niigata.lg.jp/
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