障壁画の仕上がりを確認する松原さん(左)と高野住職=羽咋市太田町の妙法寺

障壁画の仕上がりを確認する松原さん(左)と高野住職=羽咋市太田町の妙法寺

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羽咋・妙法寺 等伯に憧れ、障壁画描く

北國新聞(2021年7月14日)

  〈5カ月かけ完成 日輪とハスで「日蓮」〉

 七尾生まれの画聖長谷川等伯(とうはく)ゆかりの寺と伝わる羽咋市太田町の日蓮(にちれん)宗妙法寺で13日までに、等伯に憧れ画業に進んだ富山県上市町出身の画家松原賢さん(73)=栃木県在住=が、日輪や青いハスなどを描いた障壁画を完成させた。日蓮宗を開いた日蓮上人が生まれて800年の節目に、心の師等伯に関わる寺での大作完成となり、「等伯に近づきたい」と研さんの心を新たにした。

 松原さんは24歳の頃、等伯の代表作である国宝「松林図屏風(びょうぶ)」を東京国立博物館で観賞し、衝撃を受けたのが本格的に画業に進むきっかけとなった。研さんを重ねて全国に作品を残し、作品の一つが米国フィラデルフィア美術館に収蔵される栄に浴しても、原点は常に等伯だった。

  〈「仏縁を感じる」〉

 妙法寺の高野誠鮮住職は、日蓮上人の生誕800年に合わせ、寺の対面所の改修を進めていた。知人を介して知った松原さんを今年2月に寺へ招き、等伯と寺のゆかりを説明したところ、松原さんは「仏縁を感じずにはいられない」と感動を覚えたという。

 高野住職によると、寺の6世住職日敬は、絵を極めようとする等伯の存在を京都の有力者に紹介して上京を後押しし、後に豊臣秀吉らに重用されるきっかけになったと伝わる。

 5カ月の制作期間を経て完成した絵は、寺の庭で高野住職が育てている青色の花を咲かせるハスや、自身の作品で頻繁に描く世を照らす日輪などが題材となった。松原さんは、との粉や岩絵の具、金箔などを用いてふすま4枚へ立体的に描き上げて納入し、9日に寺で仕上げの作業を行った。

 日輪とハスで「日蓮」を表現した作品に、高野住職は「この寺に最初からあったような存在感がある。何百年後にも伝えられる、日蓮上人の誕生プレゼントの作品になった」と喜んだ。松原さんは「仏様や等伯との縁に感謝したい」と語った。

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