天龍ライン遊舟の船頭(右)から操縦のこつを教わる信南交通の若手船頭ら

天龍ライン遊舟の船頭(右)から操縦のこつを教わる信南交通の若手船頭ら

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「天竜川の舟下り」継承へ合同練習 飯田の2社、船頭減少背景に

信濃毎日新聞(2021年7月14日)

 飯田市の天竜川下りの舟を運航する信南交通(飯田市大通)と天龍ライン遊舟(同市龍江)の船頭ら7人が13日、舟の操縦練習を初めて合同で行った。技術を磨き合うことで舟下りの安全を高め、伝統を残す狙い。今後も合同練習を重ねていく。

 2社は舟の大きさ、普段運航する場所などが異なる。この日は、天龍ライン遊舟が普段運航する同市龍江で手こぎで数百メートル下った後、エンジンを使って上がってくる練習をした。同社のベテラン船頭は「渦の真ん中を通るように」などと指導。信南交通で船頭4年目の斎藤克岐(かつき)さん(24)は「"川上り"は初めて。渦など流れがよく見えて勉強になる」。

 江戸時代の物資輸送から遊覧に移行した「天竜川の舟下り」が2016年に市民俗文化財に指定され、2社は一緒に舟を造るなど協力してきた。船頭は最盛期には1社だけで50人いたが、現在は2社合わせても20人ほどとなっている。

 船頭の減少を背景に合同練習を発案した信南交通のベテラン船頭、杉本忠さん(64)は「一緒に舟に乗ることで技術の幅が広がる。今後も協力し、舟下りの伝統をつないでいきたい」と話していた。

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