イーバイクに乗って夏場の野沢温泉村を案内する上野さん(左)

イーバイクに乗って夏場の野沢温泉村を案内する上野さん(左)

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夏にも冬の感動体験を 野沢温泉で通年誘客に力

信濃毎日新聞(2021年7月16日)

 野沢温泉村で夏場の誘客の動きが活発化している。村内の事業者が電動アシスト付きスポーツ自転車「e(イー)バイク」を使ったツアーを企画したり、スキー場がアウトドア施設を今夏始めたり。新型コロナウイルス感染拡大を受け冬場の観光が低迷しているのを受け、グリーンシーズン中の観光も充実させ、1年通じての誘客を図る狙いだ。

 「もう、最高ですよ」。毛無山のふもとにある冷たい空気が噴き出す「風穴(ふうけつ)」の前。今月上旬、村内でスポーツ用品の製造販売やイベント企画などを手掛ける会社を経営する上野雄大さん(40)が、首都圏などから訪れたツアー客約10人の案内をしていた。ツアー客から思わず歓声が上がった。

 ツアーは、上野さんの会社と地元のホテルが連携し、2日間の日程で開催。毛無山を登ったり、同社が貸し出すイーバイクに乗って村内の斜面を走ったりする内容だ。

 千葉市から参加した高松裕記さん(41)はスキーをするため村を何度も訪れてきたが、夏についても「全部が最高。ポテンシャル(潜在力)の高さを感じた」。上野さんは「冬場に村でできる感動体験を夏でも提供できるはず。定期的に開催していきたい」と話した。

 村内の野沢温泉スキー場によると、冬場の来場者数は、2019年12月~20年4月は約34万人だったのに対し、20年12月~21年5月は約22万人で、35%ほど減少した。かき入れ時の1月は東京都などに緊急事態宣言が出ていたこともあり、約60%減だった。営業課長の高沢公治さん(47)は「緊急事態宣言の影響や、インバウンド(海外誘客)の減少が大きい」と説明する。

 こうした状況を受け同スキー場は、雪のない夏場の誘客にも本腰を入れ始めている。昨年新調した長坂ゴンドラリフトの運行に合わせて上ノ平ピクニックガーデンをオープンさせたり、夜にゴンドラに乗って星空や眺めを楽しめるツアーを開いたりする。高沢さんは「外できれいな空気を吸って今までとは違う野沢温泉を見てほしい」と話している。

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