企画発表会でスズ・シアター・ミュージアムを説明する北川フラム氏=珠洲市のラポルトすず

企画発表会でスズ・シアター・ミュージアムを説明する北川フラム氏=珠洲市のラポルトすず

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最先端のアート発信 9、10月・奥能登国際芸術祭 珠洲で企画発表、祭典アピール

北國新聞(2021年7月16日)

  〈16カ国・地域53組46作品〉

 珠洲市全域を会場に9月4日に開幕する奥能登国際芸術祭2020+(北國新聞社特別協力)の企画発表会は15日、同市のラポルトすずで開かれ、奥能登の最先端から、アートの力で風土や文化を発信する祭典をアピールした。目玉企画「珠洲の大蔵ざらえ」の会場「スズ・シアター・ミュージアム」は、家々の生活道具を主役にした劇場型の展示空間とし、人々の営みや記憶を次代につなぐ。

 芸術祭は2017年に続く2回目で、16の国と地域から参加する53組のアーティストの新作40、既存6点を展示する。コロナ禍によって1年延期された。

 旧西部小体育館に開設されるスズ・シアター・ミュージアムは、南条嘉毅氏をはじめ8組の作家が参加し、約1500点の民具をもとに作品を形作る。使用する音楽は、舞台やテレビ音楽を手掛けてきた阿部海太郎氏が担当する。

 市内10地区で展示される作品の制作意図を解説した総合ディレクターの北川フラム氏は、大蔵ざらえについて「世代交代に当たってどうするか悩む人の多い備品や日記をきちんと収集し研究、展示をしようと考えた。モノを主役に家の歴史や生活を語らせるのは世界初だ」と述べた。

 実行委員長の泉谷満寿裕市長が「芸術祭は単なるイベントではなく、能登半島のさいはての地から人の流れ、次代の流れを変える運動だ」と強調した。

 スズ・シアター・ミュージアム設立シンポジウムでは、南条氏は「歴史や昔の生活を目に見えるようにし、珠洲の文化や時間の流れを感じられる場にしたい」と期待を込めた。

 新型コロナ対策として、10月24日までの会期中、9月23日を除く毎週木曜日に休みを設ける。鑑賞者は検温スポットに立ち寄って受け付けを済ませ、行動履歴が追跡できるQRコード付きのリストバンドを装着し各会場を巡る。作品観賞パスポート(前売り一般2500円)は15日に発売した。北陸放送、テレビ金沢、エフエム石川、ラジオかなざわ・こまつ・ななおが後援する。

 ■参加アーティストと場所

 ▽塩田千春(日本)旧清水保育所▽南条嘉毅、大川友希、OBI、久野彩子、世界土協会、竹中美幸、橋本雅也、三宅砂織(以上日本)スズ・シアター・ミュージアム▽キムスジャ(韓国)馬緤、鰐崎海岸▽スボード・グプタ(インド)笹波海岸▽原広司(日本)木ノ浦海岸▽蓮沼昌宏(日本)木ノ浦ビレッジ▽さわひらき(日本)旧日置公民館▽トゥ・ウェイチェン(台湾)旧日置小グラウンド▽キジマ真紀(日本)狼煙の舟小屋▽カールステン・ニコライ(ドイツ)旧粟津保育所▽Noto Aemono Project(日本)新出製材所▽山本基(日本)旧小泊保育所▽Liu Jianhua(中国)珠洲焼資料館▽カン・タムラ(アメリカ/日本)珠洲焼資料館▽フェルナンド・フォグリノ(ウルグアイ)鉢ケ崎海岸▽青木野枝(日本)旧高砂湯▽田中信行(日本)島崎家▽Tobias Rehberger(ドイツ)旧蛸島駅▽デイビッド・スピグス(カナダ)旧漁業倉庫▽中島伽耶子(日本)飯塚旧事務所▽ひびのこづえ(日本)スズズカ▽大岩オスカール(ブラジル)旧正院駅▽クレア・ヒーリー&ショーン・コーダイロ(オーストラリア)旧喫茶アンアン▽盛圭太(日本)大工倉庫▽ムン・キョンウォン&チョン・ジュホン(韓国)西浜の瓦工場▽尾花賢一(日本)野々江三百苅倉庫▽磯辺行久(日本)市民図書館▽村上慧(日本)すずなり▽今尾拓真(日本)旧図書館▽金沢美大アートPJ【スズプロ】(日本)旧八木邸▽中谷ミチコ(日本)スズ交通待合所2F▽浅葉克己(日本)さいはてのキャバレー▽力五山(日本)ラポルトすず▽河口龍夫(日本)旧飯田駅▽石川直樹(日本)北方の倉庫▽Raqs Media Collective(インド)旧上戸駅▽Simon Vega(エルサルバドル)柳田児童公園▽佐藤貢(日本)春日野の酒蔵▽郭達麟(ディラン・カク、香港)旧鵜飼駅▽陳思(チェン・シー、中国)旧柏原保育所▽サイモン・スターリング(UK/デンマーク)旧南黒丸駅▽四方謙一(日本)旧大坊小学校▽チームKAMIKURO(日本)旧上黒丸小▽カルロス・アモラレス(メキシコ)吉ケ池民家▽Aleksander Konstantinov(ロシア)バス停4▽金氏徹平(日本)市内各所

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