舞台で熱演する子供役者=小松市の県こまつ芸術劇場うらら

舞台で熱演する子供役者=小松市の県こまつ芸術劇場うらら

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子供役者待望の本番 1年2カ月越し 歌舞伎上演 小松・西町

北國新聞(2021年7月18日)

 小松市で5月に行われるお旅まつりで曳山(ひきやま)子供歌舞伎を演じる予定だった地元西町の子供役者7人が17日、県こまつ芸術劇場うららで公演した。新型コロナで2度の延期を余儀なくされ、当初より1年2カ月後に迎えた本番。曳山を模した舞台で伝統をつないだ子供役者は、大人顔負けの堂々とした演技で観客の拍手を浴びた。

 昨年のお旅まつりの当番町だった西町はコロナの影響で上演を見送り、演目や役者を持ち越した。今年のまつり期間中に会場を曳山からうららに変えて5回上演予定だったが、まつり目前に再び延期となった。

 コロナ対策で客席数は定員の半分以下に抑え、ライブ配信も行い、2回の公演に計約400人が訪れた。2回目の「千秋楽」を前に、公演の総責任者である当番長の万仲(まんちゅう)昭人さんは「皆さんの協力を得てなんとかこの日までやってきた。1日だけでさみしいが力を合わせて上演したい」と謝意を伝えた。

 演目「辰巳用水五輪輝(ごりんのかがやき)稲葉左近館之場(いなばさこんやかたのば)」は、金沢城に水を引く辰巳用水の工事を請け負った板屋兵四郎が、城の秘密を知ったため検分役の村田但馬(たじま)に追われる筋書き。華やかな衣装をまとい、化粧を施した子供役者が花道から登場したり、見えを切ったりする度に拍手がわき起こった。

 東京五輪・パラリンピックにちなみ「この7月、令和ではオリンピックが始まる。(兵四郎は)江戸に見に行ったのではないか」などとユーモアのあるせりふも盛り込まれ、観客から笑いが漏れた。

 兵四郎役の山本愛結(あゆ)さん=芦城中1年=は「緊張したけどたくさんの人に見てもらえて良かった」、但馬役の黒田真衣さん=同=は「本番と練習では雰囲気も景色も違い楽しかった」と振り返った。

 左近娘(さこんむすめ)常盤(ときわ)役の金田紗也野さん=同=は「ずっと練習し続けてきて、ようやく本番ができてうれしい。自分らしい演技ができた」と話した。

 公演に先立ち、子供役者は地元の本折日吉神社での「お宮参り」で成功を祈願し、町内向けに披露した。

 舞台では、小松曳山八町連絡協議会の福島利雄会長、宮橋勝栄市長らもあいさつ。出演者やスタッフ全員が小松出身者で、上演を支える若衆に地元の大学生も携わった。公立小松大生は来場者の誘導や検温などを手伝った。

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