「藤城清治 光の世界メルヘン展」の内覧会で、自ら手がけた影絵作品を見て回る藤城さん(右)=7月19日、福井県福井市美術館

「藤城清治 光の世界メルヘン展」の内覧会で、自ら手がけた影絵作品を見て回る藤城さん(右)=7月19日、福井県福井市美術館

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幻想的な影絵、藤城清治展開幕 福井市美術館、9月12日まで

福井新聞(2021年7月20日)

 "光の芸術家"藤城清治さんの画業をたどる「光の世界メルヘン展」(福井新聞社、福井市美術館、福井放送でつくる実行委員会主催)が7月20日、同美術館で開幕する。19日には開場式と内覧会があり、関係者らが光と影が生みだす幻想的な影絵の世界を一足早く堪能した。会場に駆けつけた藤城さんは「コロナの時代だからこそ、作品を通して福井の皆さんに夢と希望、勇気と元気を届けたい」と語った。

 藤城さんは97歳の今も作品を生みだす影絵の第一人者。ろうそくの火で照らした影絵劇で戦後の焼け野原に生きる子どもたちを癒やしたのを出発点に、精力的に創作を続けてきた。

 会場には、黒いシルエットと光の階調だけで表現したモノトーンの作品から、宮沢賢治の童話の世界を色鮮やかに再現した影絵、丸岡城など福井の風景を描いた新作まで約170点を展示。作品に描かれたこびとや小動物、草花、童話の登場人物が照明を抑えた会場のそこかしこに浮かび上がり、幻想的な世界が内覧会の参加者を優しく包み込んだ。

 「作品を照らす光が見る人の表情まで明るく照らし、(モチーフの)息遣いが音楽のように肌を通して心に響く"劇場型の美術展"を目指した」と藤城さん。「ひとときでもコロナを忘れ、夢の世界に浸るように心を癒やし、生きる喜びを感じてほしい」と笑顔を見せた。

 会期は9月12日まで(8月9、16日を除く月曜休館)。当日券は一般1400円、高大生800円、小中学生500円。問い合わせは福井市美術館=電話0776(33)2990。

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