長和町大門の国史跡「星糞(ほしくそ)峠黒曜石原産地遺跡」の展示施設「星くそ館」が20日にオープンする。縄文人による黒曜石採取を裏付けた「第一号採掘址(さいくつし)」の真上に建設。縄文人が採掘した約7千年前や約3500年前を含む地層の断面を剥ぎ取って展示した。
星くそ館は虫倉山中腹の標高約1500メートル地点にあり、黒耀石(こくようせき)体験ミュージアムから徒歩約30分。展示したのは町教育委員会が第一号採掘址で2016~19年度に行った発掘調査で出てきた地層だ。地層に映像を投影するプロジェクションマッピングで、どのように穴を掘ったか解説。穴の土砂が崩れないよう縄文人が設けた木の柵も再現した。
19日には記念式典があり、羽田健一郎町長は「町の新たな宝を得た。施設を柱に文化財のさらなる保存と有効活用を重ねていきたい」とあいさつした。
総事業費は約3億7千万円で、国や県の補助金を活用した。入館無料。ミュージアムで受け付けが必要。足が不自由な人らはミュージアムの職員が送迎する。午前9時~午後4時。