歌碑周辺を清掃する参加者=七尾市の机島

歌碑周辺を清掃する参加者=七尾市の机島

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家持ゆかりの地を美しく 名勝・机島を観光資源に 中島・瀬嵐住民が歌碑周辺整備

北國新聞(2021年7月26日)

 能登を巡行した歌人大伴(おおともの)家持(やかもち)が万葉集に詠んだ七尾西湾に浮かぶ七尾市名勝「机島(つくえじま)」を観光資源に生かそうと、地元の同市中島町瀬嵐の住民有志が17年ぶりに島内の環境整備に乗り出した。観光協会と連携して遊覧船の航路に組み込み、家持の能登巡行コースをたどる観光プランを開発して「万葉の島」の魅力発信につなげる。

 机島は1周約1・3キロで、熊木川河口から約3キロ離れた位置にある。越中国司を務めた家持が748(天平20)年に能登巡行で訪れた際、机島の貝「シタダミ」を題材に「香島嶺(かしまね)の 机の島の しただみを」から始まる長歌を詠んだ。1975(昭和50)年に万葉集の研究で知られる阪大の犬養孝名誉教授が揮毫(きごう)した歌碑が建立された。

 瀬嵐町会の櫻井政慶会長(72)によると、2004年以前は年1、2回、地元住民が島の草刈りをしてきたが、1市3町の合併後は七尾市の管理となり、手入れが行き届かなくなった。地元住民でつくる「机島活性化プロジェクト」が改元を機に、万葉集ゆかりの地をPRしようと整備することにした。

 能登半島広域観光協会と協力して、同市の能登食祭市場を発着点とする遊覧船「シーバード」の航路に机島を追加し、羽咋や珠洲など家持の能登巡行をたどるプランを観光業者に提案する計画を立てている。

 25日、団員ら13人が島に渡り、入り江や歌碑周辺の下草刈りやごみ拾いに汗を流した。壮年団「蘭秀会(らんしゅうかい)」の木村幸生団長(41)は「瀬嵐には船を持っている人が多いので、将来的には観光客を乗せて島を案内できたらいい」と話した。同観光協会の小田●(●は「衣」へんに「貞」)彦名誉理事長(加賀屋相談役)も「ふるさとの宝にスポットライトを当てて、地元住民が誇りに思えるようにしたい」と意欲を示した。

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