国の重要無形民俗文化財「滑川のネブタ流し」が31日夕、滑川市の中川原海岸(和田の浜)で行われ、住民らが赤々と海を染める炎を見つめ、無病息災を祈った。
わらをむしろで巻いた「ネブタ」と呼ばれるたいまつをいかだに載せ、火を付けて海に流す伝統行事。眠気やけがれ、疫病をネブタに託し、火と水で消し去ろうという願いが込められている。
昨年は新型コロナウイルス感染防止のためネブタは有志らによる4基のみだったが、今年は例年通り中川原、常盤町1、2区、吾妻町の各町内会や滑川青年会議所など9団体が計12基を作った。
午後6時半ごろ、次々とネブタが点火され、海に入った住民らが沖へと押し流した。ネブタは富山湾に沈む夕日を背景に「パン、パン」と音を立てながら燃え、崩れていった。