県内作家による自主企画展「ビエンナーレTOYAMA」の第3期が8日、県美術館TADギャラリーで始まった。綿や木、金属などの素材の特質を生かし、社会問題や自己の内面を浮かび上がらせた意欲作が並ぶ。27日まで。
11人が絵画やインスタレーションなど22点を発表している。初参加の吉田沙織さん(南砺市)は日本画の技法で「鯨のなかの都市」を制作。都市の様子が描かれたクジラのシルエットは、多くの生き物を犠牲にする海洋汚染問題を暗示している。
本郷仁さん(富山市)は鏡と木、モーターを組み合わせた立体作品「風景装置」を展示。川原和美さん(高岡市)の「息づくものたち」と題した四つの大作は、綿を球状や繊維状に造形し、動物や植物の営みを表現している。
知的障害のあるシノタケさん(高岡市)とHさん(同)が手掛けた「アール・ブリュット」の作品もあり、多様なアートの在り方を問いかけている。入場無料。北日本新聞社など共催。