越前和紙を使った書家や画家の作品を集めた企画展「百花繚乱(りょうらん) 越前和紙、芸術家たちとの交流の証」が福井県越前市の紙の文化博物館で開かれている。著名な芸術家と産地とのつながりを垣間見ることができる。8月30日まで。
美術紙として価値を高めてきた越前和紙の歴史を踏まえ、各製紙所と芸術家の交流に着目。製紙所10カ所から作品23点を展示した。
書道家の武田双雲さんが2015年に訪ねた工房に残した作品は、漉(す)き上げたばかりの和紙に直接指で「寿」の文字がしたためられている。東山魁夷さんの版画「月唱」は、100回に及ぶ刷りに耐えられる紙の丈夫さを求めて越前和紙を選んだという。
水上勉さんが交流のある和紙職人に宛てたサイン本、小杉放菴ら日本画の大家による作品も並ぶ。
入館料は一般200円。火曜休館。