上伊那農協(本所・伊那市)は17日、県独自品種のリンゴ「シナノリップ」の品評会を箕輪町で開いた。同農協での開催は初めて。管内の28農家が出品したリンゴを県農業技術課の職員らが糖度や色づきなど6項目で審査した。
シナノリップは県果樹試験場(須坂市)が開発したわせ種で、果汁が豊富で酸味と甘みのバランスが良く、爽やかな味わいが特徴。上伊那地域では5年前から栽培に取り組み、現在は約130軒の農家が生産。年々収量は増えているが、色味が安定しないなどの課題があり、品質向上を狙って品評会を計画した。
同農協によると、今年は100トンの収量を計画していたが、春先の遅霜で2割ほど減る見込み。出荷は8月末まで続くという。審査した同課の伊原竜夫専門技術員は「高温などリンゴに厳しい気候が続く中だが、糖度は十分に仕上がった」と評価。同農協園芸課の担当者は「8月に味わえるリンゴとして定着してほしい」と期待していた。