魚津市の海岸で19日、上位(春型)蜃気楼(しんきろう)が観測された。6月12日以来、2カ月ぶりの出現。船やヨットが伸び上がり、黒部市護岸がワニの口のように見えた。魚津埋没林博物館によると、見え方の規模は5段階(A~E)のDランクで今年34回目。
海の駅蜃気楼からは、北方の沖合を航行する船やヨットが伸びたり反転したりして見えた。黒部市生地方面の護岸も上に反転してワニの口のように変化した。
上位蜃気楼は、海面近くの冷たい空気層と暖かい空気層が重なったときに見えやすい。魚津埋没林博物館によると、6月中旬以降は海水温が高くなり、蜃気楼が発生しにくい状態になっていたという。佐藤真樹学芸員は「今朝は放射冷却現象で地上付近の気温が冷え、発生しやすい状況になった」と説明し、「季節外れの面白い蜃気楼が見られた」と話した。