鉄板で犬をかたどった作品を眺めるアーティスト=金沢市広坂1丁目の箔一ビル屋上

鉄板で犬をかたどった作品を眺めるアーティスト=金沢市広坂1丁目の箔一ビル屋上

石川県 金沢市周辺 祭り・催し

金沢市中心部 空きビルなどで空間芸術

北國新聞(2021年8月21日)

 空きビルや休業した銭湯などを会場にした展覧会「ストレンジャーによろしく」(北國新聞社後援)は20日、市中心部の14カ所で始まった。東京や金沢などの若手アーティスト37人が彫刻や絵画、映像などを滞在して制作し、会場の趣を生かしたインスタレーション(空間芸術)を配した。石川の風土や建物の歴史と共鳴し、みずみずしい感性が光る作品群に来場者が向き合った。

 展覧会は実行委員会共同代表の谷口洸(あきら)さん(28)=東京芸大出身=らが2014年に始めた。よそ者を意味する英語「ストレンジャー」を冠した名前は、会場を移しながら、現地の作家と刺激し合って創作するとの意図が込められている。

 第1回を群馬県太田市、翌年の第2回を名古屋市で開催。コロナ禍で活動が制限される中、「縛りを解き放って制作できる場をつくりたい」と第3回が企画された。金沢美大や金沢21世紀美術館などが立地し、現代アートが盛んな金沢が開催場所に選ばれた。

 箔一ビル(広坂1丁目)では、近くのキリシタン寺の歴史にちなんだ彫刻や、融雪装置が原因のさびついた道路から着想を得た作品などが並んだ。屋上には鉄板を溶接し、犬をかたどったオブジェが置かれた。

 金沢美大4年の小田陽菜乃さん(鎌倉市出身)は珠洲市の空き家にあった引き戸を作品の中心に据え、周囲を糸で装飾。1枚だけ外れていた戸が家から飛び出したように見えたとし「石川に来た自分と重なった。糸で人とのつながりを表現した」と語った。

 梅の湯(山の上町)では、脱衣所に細かく刻んだ新聞紙などをちりばめ、浴場に呼吸のような音が響く仕掛けが設けられた。薬問屋だった築95年の石黒ビル(尾張町1丁目)の地下室では、錠剤などの映像を壁に投影したり、氷の溶ける音を特殊な機器で響かせたりした。

 チケットは千円で、金沢アートグミ(青草町)で購入できる。公共シェアサイクル「まちのり」の事務局(此花町)では1日パスとのセットを2千円で販売する。会期は9月12日までの金、土、日、月曜日。

 谷口さんは「えりすぐりの作家たちによる金沢でしか作れない作品を楽しんでほしい」と呼び掛けた。

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