越前打刃物の共同工房「タケフナイフビレッジ」(福井県越前市余川町)の資料館が改修され、28日にオープンする。鍛造や研ぎに使う機械が新たに並んだほか、製造工程を見せる展示もあり、職人たちの手仕事を感じることができる。
資料館は、昨年の新館オープンに合わせて共同工房にあった売店部分に設けられ、今年6月から進めていた改修が完了した。外光を遮断した上で、壁面に飾った数々の鎌や包丁、巨大な包丁のオブジェをライトアップした。
鍛造に使われているベルトハンマーや回転砥石(といし)の機械を展示。包丁と鎌について、鋼づくりから完成までの工程を実物を並べて紹介した。パネル展示には、所属する伝統工芸士の写真が並び、産地の歴史を解説している。
新館では、福井市出身の工業デザイナー川崎和男さん(大阪大名誉教授)によるオブジェの常設展示が始まった。2006年に金沢市の金沢21世紀美術館で展示した作品を再現。壁や床が鏡張りになった三角柱の空間にさまざまなデザインの包丁が配置されている。
資料館オープンに合わせ28、29の両日、タケフナイフビレッジ協同組合の創設30周年と新館完成1周年を記念したイベントを開く。刃物の研ぎ直しや限定品販売、クイズ企画などが楽しめる。