クリーム色と青色の「横須賀色」をまとった、しなの鉄道(上田市)の115系「S26編成」(2両)が27日、車両更新に伴い引退した。同じ塗装の「S16編成」(3両)とともに26日に引退する予定だったが、前線停滞による大雨で車両の運行シフトが乱れるなどし、1日遅らせた。
27日、S26編成は6回運行。駅では最後の姿を写真に収め、乗り心地を懐かしむ人の姿が見られた。村越史明さん(56)=長野市=は「駅に止まっているのを見て思い出に乗車した。高校生の頃、中央東線の横須賀色で通学し、試験勉強したり弁当を食べたりした」と名残惜しそう。ラストランとなった午後7時23分小諸発の長野行きは、オレンジ色と緑色の「湘南色」の車両と連結して戸倉駅まで走り、切り離された。
横須賀色は旧国鉄が横須賀線の車両に塗装したのが始まりで通称「スカ色」。かつては中央東線でもスカ色の115系が走った。しなの鉄道は昔の塗装を再現し、楽しんでもらう企画「懐かしの車体カラー」を数年前に始め、そのうちの一つがスカ色だった。