白山さん(左)が修復した大行燈の本体部分。鮮やかな色合いが目を引く=道の駅庄川

白山さん(左)が修復した大行燈の本体部分。鮮やかな色合いが目を引く=道の駅庄川

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展示の夜高行燈 彩色よみがえる

北日本新聞(2021年8月29日)

 砺波市庄川町示野の道の駅庄川で展示している夜高行燈(あんどん)の修復が終わり、同施設で28日、披露された。行燈は2017年から飾っているが、色あせなど老朽化が目立っていたため、庄川地域の住民有志が6月から直してきた。披露に合わせ、絵付け体験や武者絵をデザインした塗り絵の配布も行い、訪れた人が地元の伝統に触れた。

 砺波市庄川地域では毎年6月に庄川観光祭が開かれ、夜高行燈の練り回しや打ち上げ花火などを行う。道の駅庄川は17年のリニューアルオープン時に、約20年前まで祭りで引き回していた畑直(はたなおし)町内会の大行燈の本体部分を庄川水記念公園から譲り受け、来店客に祭りをPRしている。

 大黒様をかたどった高さ約2メートルの本体部分は約40年前に作られ、和紙が色あせ、破れるなど各所に傷みが出ていた。東亮輔駅長が元庄川町夜高保存会事務局長の白山久一さん(76)=同市庄川町金屋=に修復を依頼した。

 白山さんは約3カ月をかけ、骨組みに和紙を貼り直し、下絵を描いてろう引きし、色を塗って仕上げた。昔の写真を見ながら、大黒様の顔の膨らみや色合いを再現。桜の花びらや花火、千両箱などをあしらった。地元の夜高関係者や女性有志も協力した。

 28日は、来店客が修復を終えた行燈の前で記念撮影をしたり、農具「ころがし」に和紙を貼って作った「簡易行燈」にチューリップなどの絵を描いたりして祭りの雰囲気を楽しんだ。南砺市福野小3年の男子児童は「来年は祭りに行ってみたい」と話した。

 絵付け体験と塗り絵の配布は29日まで行う。白山さんは「良い出来栄えに仕上がった。見た人に喜んでもらい、コロナが収束したら観光祭に来てほしい」と期待している。

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