奥只見ダムで遊覧船などを運航している奥只見観光(新潟県魚沼市)は、船旅の記念になる企画に力を入れている。全国の船会社が展開するプロジェクトの一環で「御船印(ごせんいん)」を発行。ダム湖を見守る神社に奉納する絵馬の販売も始めた。同社は「訪れてくれた人の思い出に残る取り組みを進めたい」としている。
御船印は神社などの御朱印をイメージしたもので、この春「御船印めぐりプロジェクト」として始まった。県内では、佐渡汽船と粟島汽船も参加している。
奥只見観光は7月中旬から、主力の遊覧船「外輪船ファンタジア号」や尾瀬ルートを担う「おぜ号」などのイラストと、船名を記した4種類を用意。ワンポイントにあしらわれたニッコウキスゲのデザインは9月から稲穂に変わる。1枚300円。
絵馬は合格祈願、五穀豊穣(ほうじょう)などの願い事を記入すると、地元で神職も務める社員が十二山神社に奉納して祈願する。ダム湖の上流1キロほどの湖畔にあり、800年以上前から地元で守られてきたという菩薩(ぼさつ)像が祭られているが、陸路では行けない。購入者には後日、記念品として結び目をかたどったキーホルダーが郵送される。1枚千円。
いずれも船着き場で販売し、今季は11月8日まで。同社社長の遠山則幸さん(61)は「新型コロナウイルス禍で閉塞(へいそく)感があるが、いろいろな取り組みを進めている。来ていただいた方に新しいことを提供したい」と話した。