大口さんが生前に集めた陶磁器が並ぶギャラリー

大口さんが生前に集めた陶磁器が並ぶギャラリー

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野沢温泉村が陶磁器ギャラリー 地元開業医の貴重なコレクション

信濃毎日新聞(2021年9月4日)

 2015年に63歳で亡くなった野沢温泉村の内科医、大口秀利さんが生前に趣味で大量に収集してきた陶磁器などの骨董(こっとう)品を展示する「野沢温泉陶磁器ギャラリー」(豊郷)がオープンし、第1弾となる企画展「油壺と吉向(きっこう)焼」が26日まで開かれている。秀利さんが開業した「大口内科」の1階部分を村が全面改修。貴重な品が数多くある秀利さんのコレクションが散逸しないように村教委がギャラリーを管理し、観光資源に生かす。

 1952(昭和27)年に村で生まれた秀利さんは飯山市の飯山北高校(現飯山高校)を卒業後、徳島県の徳島大学医学部に入学。高知県の病院で働いた後、村に戻り開業した。

 2000年ごろから収集を始め、県内の古美術店やインターネットで購入を重ねた。妻の充恵さん(67)によると、集めた品々は約千点にも上るという。

 ギャラリーは展示スペースや休憩場所などを設け、約140平方メートル。平日は閉じ、土日祝日に開放する。企画展には、江戸時代に須坂藩など全国各地で活躍した陶工吉向行阿(ぎょうあ)の作った茶器や、髪に付ける油を入れる陶磁器など計約100点が並んでいる。

 ギャラリーを案内する「アドバイザー」には、秀利さんと骨董品収集の「同好の士」で旧知の仲だった石田秀明さん(71)=須坂市春木町=が就任。充恵さんらと話し合って企画を考えたり、秀利さんの人柄を交えながら展示物を説明したりする。

 石田さんは「大口さんは陶磁器を見た時、(良い物かを判断できる)『勘の良さ』があった。陶磁器を時代背景から考察、研究してきた人だった」としのぶ。充恵さんは「来てくれた方に愛される施設になってほしい」と話している。

 秀利さんは陶磁器以外にも縄文や弥生土器も集めた。10月2日からは第2弾の企画として、日本の焼き物文化を時代ごとに紹介する企画展「日本のやきもの」を予定している。

 入場無料。午前9時~午後4時半。問い合わせは同ギャラリー(電話0269・67・0800)へ。

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