防災頭巾をかぶり校舎3階に避難する児童=穴水小

防災頭巾をかぶり校舎3階に避難する児童=穴水小

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穴水で県防災総合訓練 能登の大地震に住民備え

北國新聞(2021年9月6日)

 石川県防災総合訓練は5日、穴水町で行われ、消防や警察、自衛隊など約70機関約600人と住民約200人が大地震を想定した避難誘導や救助活動に取り組んだ。昨年は新型コロナウイルス感染防止のため、関係機関の図上訓練にとどまっており、今年は2年ぶりに住民も加わって、感染対策を講じた避難所運営訓練に臨んだ。

 訓練は穴水町では1987年以来34年ぶり。能登半島東方沖を震源とするマグニチュード7・6、震度6強の地震により、家屋の倒壊に伴う死傷者が多数発生し、津波到達の恐れがあるとの想定で行われた。

 あすなろ広場では、多重衝突事故による救出・救助や医療救護、救急搬送が行われ、自衛隊員が倒壊家屋の下敷きになった負傷者を救助した。県救助犬協会の救助犬を使ったけが人救出訓練や、ヘリコプターによる海上でのつり上げ訓練なども行われた。

 穴水小では、全校児童169人が大津波警報発令を知らせる放送が流れると防災頭巾をかぶり、1階の1、2年生、2階の3、6年生が3階に避難した。密回避の観点から各学年ごとに分かれて避難した。

 コロナに備えた避難所運営訓練が実施されたB&G海洋センター体育館・武道館では、町防災士会が屋外で避難者役を検温・消毒し、屋内に設置した広さ4平方メートルのテントに誘導、健康状態を聞き取る問診の手順を確かめた。町の担当者は「避難者が迅速にテントへ移動できるようにしたい」と語った。

 避難所運営訓練を視察した谷本正憲知事は「テントを設営すると避難所のスペースが取られる。避難所の数を市町がもう少し確保することが課題の一つになる」と述べた。

  〈備蓄用デザート配布〉

 あすなろ広場では、北陸大の学生災害ボランティアサークル「Rising Sun」が初めてイベント出店した。学生らは商品化を目指す災害備蓄用デザート「寄り添うデザート」などを配布した。

 県は昨年、穴水町で行う予定だった訓練をコロナ対策のため延期していた。当初は全町民約8千人が参加する計画だったが、大幅に人数を絞り、見学も禁止した。

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