「北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2021」が10日から、富山県高岡市伏木古国府の国重要文化財、勝興寺で開かれる。国内外で活躍する工芸、現代アート、アール・ブリュット(障害のある人の芸術)の作家11人が出展。9日は同寺で内覧会が行われた。
内覧会では、総合監修の秋元雄史金沢21世紀美術館特任館長が「建築空間に働き掛けていくような展開をしている」と説明。作家が出品作を紹介した。
竹工芸の四代田辺竹雲斎さん(大阪)、現代美術の八田豊さん(福井)、テキスタイルの須藤玲子さん(東京)ら11人の計27点が並ぶ。陶芸の中村卓夫さん(石川)は九谷焼の素材と、建築現場の足場に使われるパイプを組み合わせた作品「忘れられた竹林」を大広間に展示。漆芸の中田真裕さん(同)は、しんきろうをイメージした作品「如水」を庭と調和するように縁側に配置した。現代アート化する工芸を切り口に、美しい作品と重厚な空間が融合した魅力あふれる世界をつくり出している。
祭典は10月24日まで、勝興寺や那谷寺(石川県)といった国重要文化財など北陸3県の5会場で同時開催される。北陸工芸プラットフォーム実行委員会と文化庁、日本芸術文化振興会が主催。北日本新聞社後援。
高岡クラフト市場街(10月22~24日)や、富山ガラス工房のガラスフェスタ(10月2、3日)など工芸のイベントをつなぐスタンプラリーもある。