１０月に予定されていた福井県丹南地域の伝統工芸や地場産業の工房を開放する体験型マーケット「ＲＥＮＥＷ（リニュー）」は、来年３月に延期になった。新型コロナウイルスの感染が収束していない中、実行委員会は県内外の来場者や出展者らの安全確保が難しいと判断した。

　リニューの延期は、２０１５年の第１回以来初めて。開催を予定していた来月８～１０日にはオンラインストアを開設。２０を超す企業や工房がこだわりの商品をはじめ、使わなくなった道具や製造工程で出る端材など、普段は手にできない"掘り出し物"を限定販売する。

　リニューは、持続可能な地域づくりを目指して鯖江市河和田地区の住民有志が企画して始まった。その後、丹南地域にエリアを拡大。来場者が▽越前漆器▽眼鏡▽繊維▽越前和紙▽越前打刃物▽越前箪笥（たんす）▽越前焼―の職人たちと直接触れ合えることが最大の特長で、コロナ下では魅力を十分に伝えられないと判断した。

　開催日程は来年３月１１～１３日に変更。実行委事務局は「３月までの半年間、各産地で研さんを深め、新企画を練ることができれば」と話している。

　昨年のリニューには３日間で延べ約３万２千人が来場。国内最大級の産業観光イベントとして、県内外から注目されている。

　延期やオンラインストアに関する詳細はリニュー公式サイト。