江戸時代に諏訪の高島藩主が松本平の領地を視察した「巡見」の企画展が11月14日まで、松本市内田の重要文化財「馬場家住宅」で開かれている。藩主の宿泊場所の手配や献上品の用意など、視察受け入れに向けて地元が行ったさまざまな準備の様子を示す文献や品など40点余が並ぶ。
高島藩は内田地区を含め現在の松本・塩尻市境に五千石の領地を持ち、藩主が参勤交代の帰路などに視察することがあった。企画展では、領内の有力者らが受け入れ準備をした際の記録をまとめた文書や、藩主が休憩した牛伏寺で用意された漆器を展示。漆器は金蒔絵が施された豪華なつくりで、接待の力の入れようがうかがえる。
領内を案内した馬場家は出迎え時の献上品を文書で申し伝えていたといい、松本市教委の宮下慶祐主事は「藩との近さを示して領内に家格を知らしめようとしていたのではないか」と話している。
月曜休館。10月28日には藩主が巡見した寺社を巡る催しもある。問い合わせは馬場家住宅(電話0263・85・5070)へ。