福井県勝山市の県指定無形民俗文化財「勝山左義長まつり」の呼び物となっている浮き太鼓の演奏会が9月26日、同市の勝山城博物館で開かれた。今年2月のまつりでの浮き太鼓の披露は新型コロナウイルスの影響で中止になっており、演奏した勝山左義長ばやし保存会のメンバーらは「来年こそ、まつりでやりたい」との思いを込め、太鼓を打ち鳴らした。
同博物館と市の共催展「城下町『勝山』~江戸時代の祭礼と災害から探る~」(10月3日まで)の関連イベントで、伝統の継承や来年へのPRにつなげようと企画。館内に常設展示しているまつり用のやぐらを舞台にしたほか、まつりの際に市街地を彩る短冊も会場に飾り付け、本番さながらの雰囲気を演出した。
メンバー14人が約20分間演奏。三味線の軽快な音色に合わせて滑稽なしぐさで太鼓を打ち、約60人の来場者を沸かせた。
この後、保存会の呼び掛けで来場者が演奏する場面もあった。参加した男性は「数十年前まで浮き太鼓の打ち手をしていたけれど、久しぶりで息が切れた」と苦笑しつつも、さわやかな表情。保存会の会長は「やぐらでの演奏は2020年のまつり以来。楽しくできた」と話し、来年に向け「新型コロナ対策をして、ぜひともまつりでできたらいいと思う」と意気込んでいた。