ラム肉や鹿肉などを売る自動販売機を紹介する鈴木さん

ラム肉や鹿肉などを売る自動販売機を紹介する鈴木さん

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9月29日「苦肉の策」 飯田の「遠山ジンギス」自販機で

信濃毎日新聞(2021年9月30日)

 飯田市南信濃の観光案内所「アンバマイ館」に29日、豚肉、鹿肉などの自動販売機がお目見えした。味付け肉「遠山ジンギス」で知られる地元の肉店「肉のスズキヤ」が、話題作りに―と設置した。同社によると、肉の自販機は全国的にも珍しい。新型コロナウイルス下で「人と会わずに買える」ことを売りに新たな販路を開拓する狙いもある。

 肉の自販機は約150万円かけてアイスクリーム用を改造。豚肉の「ぶたじん」(650円)、鹿肉の「鹿ジン」(850円)、同社が特約店となって仕入れているアイスランド産ラムの味付け肉(950円)など5種類から選べる。

 南信濃地区を含む「遠山郷」は山深く、昔からジビエ(野生鳥獣肉)を食べる文化がある。同社社長の鈴木理(まさし)さん(60)は「遠山郷のいい情報発信になると思う」。「第1号」の客は山梨県からの観光客だった。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食店や宿泊施設に商品を販売している同社も打撃を受けた。鈴木さんは9月29日に自販機を稼働させた理由を「『苦肉の策』の語呂合わせ」と説明。「厳しい状況でも、立ちすくんでいるわけにはいかない。この『痛み』を無駄にせず、売り方を多様化したい」と話している。

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