民谷さん(左)が保管する「老子出関の図」の右半分。右は妻のふみ子さん=富山市石坂の自宅

民谷さん(左)が保管する「老子出関の図」の右半分。右は妻のふみ子さん=富山市石坂の自宅

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牛人の大作 右半分あった 40年ぶり確認

北日本新聞(2021年10月2日)

 富山市の画家、篁牛人(たかむらぎゅうじん)(1901~84年)の作品で、約40年前から「行方不明」とされていた水墨画「老子出関(ろうししゅっかん)の図」の右半分を、牛人のおいに当たる民谷静(たみややすし)さん(75)=富山市石坂=が保管していたことが分かった。県が収蔵している左半分と合わせ、幅7メートルを超える円熟期の大作が完全な状態で県内に現存していることが明らかになり、関係者を喜ばせている。

 「老子-」は麻紙に墨を擦り込むようにして描く渇筆画で、69年に制作された。左半分は大きな牛やコイ、右半分には古代中国の思想家、老子が描かれている。翌年に東京で開かれた個展では左右そろった状態で展示された。県は76年に左半分を購入し、82年に県立近代美術館で開かれた個展で飾った。

 民谷さんは78、79年ごろに呉羽山にあった牛人のアトリエを訪ね、左半分が存在しているとは知らずに右半分を買った。当時、牛人は入院中で、妻のツネが対応したという。

 9月30日に県水墨美術館で開かれている牛人の生誕120年記念展で「老子-」を鑑賞した際、右半分が所在不明になっていることを伝える説明文に目が留まった。添えられた作品写真が自宅にある絵と同じであることに気付き、同館に申し出た。同館の若松基(もとい)副館長(57)と富山市篁牛人記念美術館の木村昌弘館長(61)、田尻佐千子学芸員(60)が牛人の作であることを確認した。

 民谷さんは「伯父がこんなにすごい大作を制作していたなんて驚いた」と言う。若松副館長は「長年見つからず、諦めかけていた。ぜひ展示の機会を設けたい」と話した。

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