福井県高浜町の高浜中学校1年生は10月5日、町の魅力を再発見しようと、地元の砕導山(さいちやま)城跡を探検した。同町でも知名度は高くはないが、山城としては県内最大規模を誇る。堀切や土橋などさまざまな遺構が残っており、生徒は敵の侵入を防ぐための工夫に感動。城跡をPRするための案内看板作りを計画しており、「高浜の有名な観光地にしたい」と意気込んでいる。
1年生は「高浜再発見」をテーマに総合的な学習に取り組んでいる。町の活性化に向け砕導山城跡を活用できないか、9月末に砕導山城跡保存会事務局長を招き概要を学んだ。実際に城跡を確かめようと、今回の探索を計画した。
70人が6班に分かれ、保存会や若狭高浜ライオンズクラブのメンバーの案内で城跡の麓にある佐伎治(さきち)神社を出発。生徒は観光客や登山者が道に迷わないように、要所要所の木にピンクのサインテープを結びつけながら登った。
所々、ひな壇状に平らになった曲輪(くるわ)群があり、侵入してきた敵を迎え撃つための落差約3メートルの堀切、幅30センチほどの土橋なども見て回った。事務局長から「曲輪は兵士の見張り所として使われた」「堀切は山を削って造っており、敵は簡単に入ってこられない仕掛け」などと説明を受けながら、1時間かけて約2キロを歩いた。
生徒は「事前に勉強していたけど、実際に見た堀切は想像以上に深く造ってあった。昔の人の工夫はすごい」と感心しきり。別の生徒は「みんなでPRして有名な観光地にしたい。そのためにも分かりやすい看板を作らないと」と話していた。同校では年度内に看板を作り設置したいとしている。