櫂棒を使って手際よくかき混ぜ新酒の初仕込みを行う蔵人=10月11日、福井県勝山市の一本義久保本店

櫂棒を使って手際よくかき混ぜ新酒の初仕込みを行う蔵人=10月11日、福井県勝山市の一本義久保本店

福井県 勝山・大野

老舗の蔵人、新酒の仕込み 福井県勝山市・一本義久保本店「みずみずしい口中感を」

福井新聞(2021年10月12日)

 福井県勝山市の酒蔵「一本義久保本店」で10月11日、新酒の仕込みが始まった。1902年に創業し、120年目の酒造期を迎えた老舗の蔵人たちは、甘い香りが漂う仕込み蔵で作業。大型タンクに約4メートルの櫂棒(かいぼう)を入れ、均一に混ざるようゆっくりと動かし続けた。

 2人の蔵人が大型タンクに入れられた麹(こうじ)や水を櫂棒で上下にかき混ぜる中、蒸した奥越産酒米「越の雫」が次々と投入された。JA主体で20年間行われた研究の末、2003年に品種登録された奥越固有の酒米という。同社は「生産者の尽力でいい原料米が届いた」と話し「『越の雫』最大の個性である潤うような、みずみずしい口中感を表現したい」と意気込んだ。

 初搾りは28日の予定。県内約400の飲食店で、当日限定で提供される。新酒の発売は11月5日を予定している。新型コロナウイルスの影響が続くが、状況に応じて生産調整し、柔軟に対応する。

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