虫送りの既存の映像を見ながら動画制作を話し合う関係者=野々市市富奥防災コミュニティセンター

虫送りの既存の映像を見ながら動画制作を話し合う関係者=野々市市富奥防災コミュニティセンター

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野々市・富奥 虫送り継承へ動画配信

北國新聞(2021年10月13日)

 野々市市富奥地区虫送り保存会は、虫送りの魅力を発信する動画を制作し、インターネットで配信する。虫送りは新型コロナで2年続けて中止になっており、子どもをはじめ、保護者、町内会役員らに改めて意義を伝え、再開時に参加してもらえる環境を整えて伝統を守る。

 富奥地区虫送りは例年、7月20日に近い土曜に行う。市スポーツランドの広場に20町内会の住民が集まり、燃え盛るやぐらの周りで太鼓を打ち鳴らし、豊作を祈願。子ども相撲と合わせ、約2千人が参加する。

 保存会などによると、明治以前から続き、富奥村と野々市町の合併後に10年ほど途絶えた。1968年の復活以降、富奥青年団が行事を支え、94年からは富奥公民館と富奥地区連合町内会で実行委員会を組織して維持してきた。99年には保存会が発足した。

 地区では転入者も増えており、昨年と今年の中止期間に虫送りへの愛着や熱意が低下することを危惧。町内会の役員交代もあり、伝統継承と、住民意識の盛り上げを目的に動画制作に取り組むことにした。

 映像は金沢科学技術大学校の教員大谷内真郷さん(同市出身)が担当。08年に虫送りを収めたDVDがあり、これを基に編集する。来年に虫送りができれば、かがり火が集まる様子をドローンで空から撮影した映像なども加える。

 保存会の岡本正会長(74)は「過去には途絶えているだけに、途切れないようにしたい」と話した。

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