福井県坂井市竹田地区で親しまれている、丸い麺が特徴的な名物「丸そば」。この伝統の味を広めようと、地元住民らでつくる一般社団法人・竹田文化共栄会が、のぼり旗を作ってPRに力を入れている。味覚の秋を前に、里山の自然と一緒に楽しめる地元グルメの知名度向上を目指す。
丸そばは、断面が丸い十割そば。歴史は少なくとも60年以上あるというが、地区外ではそば愛好家を除けばまだまだ認知されていない。竹田名物として知ってもらおうと、初めてのぼり旗を作成した。
会によると、地区内の多くの家には丸そば用の製麺機がある。肉をミンチにする機械に似た形状で、多数開いた直径2ミリほどの丸穴から麺を押し出す。そのため麺は円柱状となり、ツルンとした喉ごしが楽しめる。製麺機では圧力がかかり密度が高くなるため、一般的なそばよりこしがあるという。
のぼり旗は、竹田水車メロディーパークに立てられ、物販所「たけだや」ではおろしそばが550円(税込み)で食べられる。旗には青に白文字で「古今往来 竹田丸そば」と記されており、今に伝わる伝統の味をイメージした。
竹田農山村交流センター「ちくちくぼんぼん」の体験プログラムには丸そば作り体験があり、手ごねから製麺までを楽しむことができる。料金は1500円(税込み)で、出来上がった麺は持ち帰る。同施設所長の男性や、地元の女性グループ「たけだや加工部」が指導する。
共栄会役員も務める男性は「これから11月は新そばの季節。紅葉シーズンの山里を楽しみ、竹田の丸そばを堪能してほしい」と話している。