提供開始を前に、「鯉丼」(右と奥)の味を確かめる守屋さん(左)と中沢さん。「鯉天丼」(左)も試食した

提供開始を前に、「鯉丼」(右と奥)の味を確かめる守屋さん(左)と中沢さん。「鯉天丼」(左)も試食した

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「鯉丼」新たな味で復活 閉店した佐久のコイ料理店名物

信濃毎日新聞(2021年10月14日)

 佐久市中込の和食店「和心」は13日、一昨年閉店した同市岩村田のコイ料理店「三河屋」の人気メニューを引き継いだ「鯉(こい)丼」の提供を始めた。揚げたコイをしょうゆベースのたれに漬け、ご飯に乗せた一品。味付けの詳しいレシピがなかったが、名物料理を残し、佐久地域のコイ文化もアピールしたいと、三河屋の作り方を基に改良した新たな味で鯉丼を復活させた。

 三河屋は一昨年4月に店主が高齢となったことなどから閉店。同市長土呂(ながとろ)の中華料理店「佐介」の店主中沢智春さん(41)が、コイの身の切り方や揚げ方といった調理方法を知り合いだった三河屋の店主に教えてもらい、知人で和心店主の守屋勝さん(50)と復活を目指してきた。

 守屋さんは、和心で使う焼き鳥のたれやコイのうま煮のたれをベースに味付けを工夫。味の違うたれで作って食べ比べたり、揚げたコイの食感を確かめたりして、新たな鯉丼を完成させた。950円で提供している。中沢さんが製造・販売しているコイのかまぼこをてんぷらにして乗せた「鯉天丼」も順次提供する。

 初日の昼は注文がなかったが、守屋さんは「鯉丼は他の店でも出されていて、佐久の郷土料理として根付いていると思う。多くの人に食べてもらえるよう、作っていきたい」と話した。

 佐介では、揚げたコイを辛みそであえた「辛口鯉丼」と、酢豚の豚肉の代わりにコイを使った「酢鯉(すごい)」を提供している。

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