第112回九谷茶碗まつり(北國新聞社後援)は16日、2日間の日程で能美市内で始まった。コロナ対策で会場を分散しての開催で、対面販売の実施は2年半ぶりとなった。初日は計1万5千人(主催者発表)が訪れ、品定めを楽しむ来場者の笑顔に、出店した業者らは「開催できて本当によかった」と喜んだ。
〈初日は1万5千人〉
主会場の一つ、根上総合文化会館には22店が出店。紅白の幕がテント市の雰囲気を演出する中、普段使いの茶碗や作家の逸品が台上に所狭しと並んだ。
金沢市の山本弘恵さん(48)は「昨年は中止で残念だった。色とりどりの九谷焼を手に取って見て回るのが楽しい」と話し、小皿やカップをまとめ買いした。
九谷陶芸村でも12店が値打ち品を並べ、にぎわった。隣接する市九谷焼美術館五彩館では、地元湯野小の4年生が自作した九谷焼を販売。市内の九谷焼販売店5店も自店舗でまつりをアピールした。
昨春の中止、今春の延期を受け、まつり運営委員会は会場の分散に加え、飲食コーナーをなくして滞在時間の短縮を図るなど、感染症対策を工夫した。東浩一委員長は「予想以上に来ていただき、たくさんの笑顔に会えた」と話した。
根上、陶芸村の両会場には谷本正憲知事が訪れた。
〈週末、能美を満喫〉
能美市内では16日、九谷茶碗まつりのほかに、能美ふるさとミュージアムで開館1周年記念「のみふる古墳まつり」、いしかわ動物園で市内パン店の商品を集めた「秋のパンまつり」が開かれた。各会場を巡る「デジタルスタンプラリー」(北國新聞社後援)も行われ、来場者は能美で過ごす週末を満喫した。
ミュージアムでは新設した4K大型ディスプレーが披露された。雨天のため古墳まつりの古代衣装ショーなどは17日に変更された。17日夕には市内3カ所同時に花火が打ち上げられる。