絶筆「コスモス」などの展示に立ち会う(右から)吉村大星さん、春美さん、冨田館長=金沢21世紀美術館

絶筆「コスモス」などの展示に立ち会う(右から)吉村大星さん、春美さん、冨田館長=金沢21世紀美術館

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鉛筆が生む技巧美300点 21美 吉村芳生展22日開幕 遺族ら立ち会い会場設営

北國新聞(2021年10月22日)

 鉛筆による細密描写で知られる画家、吉村芳生氏の回顧展「超絶技巧を超えて吉村芳生展」(北國新聞社主催)は22日、金沢21世紀美術館で開幕する。21日には監修者や遺族が立ち会い会場設営が進められ、究極のリアリズムを追求した画家の多彩な作風に迫る約300点が展示された。

 初個展のために制作した全長17メートルの「ドローイング 金網」や、花盛りの藤の木を描いた「無数の輝く生命に捧ぐ」といった大作や、生涯を通じて描き続けた自画像、友人を写真そっくりに描き写したシリーズ、絶筆となった「コスモス」などが並べられた。

 方眼を引いた紙に鉛筆で緻密に模写していく制作工程が分かる展示や、愛用した色鉛筆からも吉村氏の作品に迫ることができる。

 吉村氏は2013年に急逝した後も一層の注目を集める異色の画家として知られる。監修の冨田章東京ステーションギャラリー館長は「現代アートの最先端である21美で開催することは意義深い」と話した。

 吉村氏の妻、春美さん(59)=山口市=と長男で画家の大星さん(29)も陳列を見守った。大星さんは「石川の方々に見ていただけるのはうれしく、父も喜んでいると思う」と話した。

 入場料は一般千円、中高生700円、小学生500円。問い合わせは北國新聞社事業局(平日午前10時~午後6時)=076(260)3581=まで。

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