5カ国の作家8人が出展する国際アート展が10月27日、福井県高浜町高野の古民家「観自庵(かんじあん)」と清住寺で開幕した。無数の人の顔をかたどった和紙の造形、2本足で立つカバの像、全周囲の景色を撮影した不思議な写真など、強い個性が光る独創的な作品約50点が"共演"している。31日まで。入場無料。
高野区を人が集う場所にしようと、「ふくいの伝統的民家」の観自庵を拠点に2014年から始まったプロジェクトで7回目。
同町今寺に住み、観自庵をアトリエとしている韓国出身の造形作家、金明姫(キムミョンヒ)さん(71)の「ピースマスク」は、約40人の顔を和紙でかたどり集合させた高さ約2メートルの大作。同じ顔はなく、どの顔も真っ白で、皮膚の色による差別のない平和な世界を表現している。
京都府綾部市の造形作家、松浦つかささんの白いカバの像は高さ約1・3メートル。本物そっくりだが、直立している非現実的な姿が来場者の視線を引きつける。
チェコの写真作家、シュヴァーブ・トムさんは、雪が積もった杉木立の全周写真を、サイコロ状に仕立てて出展している。
プロジェクトに携わる金さんは「作品に秘められた物語を、この小さな集落でしみじみと感じてほしい」と話している。展示時間は午前10時~午後4時(最終日は同3時まで)。