兼六園で1日、湿った雪の重みから木を守る「雪づり」の作業が始まった。秋の園内に冬の風物詩が姿を現し、来園者は季節の移ろいを感じた。
高さ約10メートル、幅約26メートルと園内随一の枝ぶりを誇る「唐崎松(からさきのまつ)」から作業を始めた。庭師が高さ約14メートルの芯柱のてっぺんから、放射状にわら縄を投げ下ろし、枝に結び付けた。前日、金沢マラソンに出場した会社員小熊淳子さん(64)=仙台市=は「偶然に居合わせて幸運。金沢の職人技を間近で見られてうれしい」と話した。
雪づりは園内の800カ所超で行われる。長さ計約120キロ、計約4トンの縄を使い、庭師や造園業者ら延べ約500人が12月中旬まで作業する。
1日の石川県内は曇りで、雨が降る所もあった。最高気温は金沢21・3度、輪島20・6度など、各地で平年より高くなった。