新調した和太鼓を見つめる上野地区の住民

新調した和太鼓を見つめる上野地区の住民

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熱送りの和太鼓新調 伝統継承 決意新た

北日本新聞(2021年11月3日)

 南砺市福野地域の上野自治会(中嶋孝作会長)は地区の和太鼓を新調した。太鼓を打ち鳴らして害虫を追い払い、豊作を祈る行事「熱送り太鼓」で使っており、老朽化で傷みが目立っていた。2日、同市上野の上野神明社で披露され、住民約20人が伝統を後世に伝えていく決意を新たにした。

 上野の熱送り太鼓は毎年7月に開かれ、小学生が太鼓をたたいて地区を練り歩く。太鼓は直径約90センチで、円筒形の長い胴をロープで締めた「桶胴太鼓」と呼ばれる。1959年に漬物用のたるを加工して制作し、75年に1回修理した後はそのまま使い続けていた。

 ことしの熱送り太鼓の後、修繕に出した。浅野太鼓楽器店(石川県)が両面の牛革を張り替え、胴を磨いた。子どもたちが安全にたたけるよう、太鼓を置く4輪のリヤカーも購入。宝くじコミュニティー助成金を活用した。

 安全祈願祭では、中嶋会長らが玉串をささげた。新調した太鼓は来年7月の熱送り太鼓で初めて使うことになる。中嶋会長は「大変良い仕上がりになったので楽しみ」と期待した。

 熱送り太鼓を運営する上野青友会の森田浩平会長(31)は「上野の伝統を継承していきたい」と意気込んだ。

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