昨年の「美の祭典 越中アートフェスタ」の平面部門で大賞を受賞した林原武夫さん(77)=氷見市宮田=の受賞記念展「㐂祝(きしゅく)の出立」が3日、北日本新聞ギャラリーで始まった。新聞紙や縄、くぎなどの身近な材料を使って現代社会の課題を浮き彫りにした力作12点を展示している。7日まで。
元々造園業を営んでいた林原さんが創作活動を始めたのは一線を退いた70歳の頃だった。喜寿の年に初めて開く同展のタイトルには「公募展での受賞や個展開催を励みに、第二の人生は創作に打ち込もうという決意を込めた」と言う。
会場にはアートフェスタの大賞受賞作「奪われた自由への追悼文」をはじめ、新型コロナ感染者に対する誹謗(ひぼう)中傷を木材で表現した立体作品「精神的感染」など多彩な作品が並ぶ。
中でも目を引くのは幅4メートル、高さ2・4メートルの大作「激流」。とめどない情報の流れと、それをうのみにする人々の姿を新聞紙を使って浮かび上がらせた。
林原さんは「『楽しく遊ぶように』をモットーに制作している。遊び心あふれる作品を多くの人に見てもらえるとうれしい」と話している。
開場時間は午前10時~午後5時。最終日7日は午後1時まで。入場無料。北日本新聞社主催。