地域の文化財を生かす方策を話し合ったシンポジウム=小松市の石川県こまつ芸術劇場うらら

地域の文化財を生かす方策を話し合ったシンポジウム=小松市の石川県こまつ芸術劇場うらら

石川県 加賀・白山・小松 祭り・催し

小松で開幕 日本遺産サミットで提言

北國新聞(2021年11月14日)

 文化庁などの「日本遺産サミットin小松」が13日、小松市内3施設を主会場に開幕した。同市をはじめ全国104テーマの日本遺産を有する各地域の関係者は、それぞれの課題や解決策を共有し、コロナ後を見据えた観光誘客につなげていくことを確認した。シンポジウムでは、その土地の日本遺産を知り尽くした専門人材を配置して活性化策に生かすべきとの提言が出された。

 シンポジウムは石川県こまつ芸術劇場うららで約400人が参加して開かれた。元文化庁長官の青柳正規県立美術館長は「地域の文化財について徹底的に知っている人が必要だ」と指摘。その人材を「ヘリテージ(遺産)コーディネーター」に任命して地域に根差した情報を首長に伝え、施策に反映させる仕組みをつくるべきだと主張した。

 市政策アドバイザーの安島博幸立教大名誉教授は、地域の文化に新たな価値を生み出すには、学問的な新発見や幅広い人に分かりやすい説明、他地域との比較が大事だと説明した。

 日本遺産「小松の石文化」の魅力を高める方法に関し、九谷毛筆細字の田村星都氏(小松市)はサミットに合わせて市などが企画した「ゲンバモノヅクリエキスポ」を紹介。九谷焼工房などを一般開放する内容で「知的好奇心を喚起する、いい取り組みだ」とした。

 これに先立つ開会式では都倉俊一文化庁長官が小松の石文化に触れ「数千年の歴史、引き込まれるロマンがある」と述べ、地域の埋もれた文化に光を当てる意義を強調した。宮橋勝栄市長は2024年春の北陸新幹線県内全線開業に向け、小松の日本遺産の発信を急ピッチで進めるとした。

 来賓の大野達観光庁観光地域振興部長、佐々木紀衆院議員が祝辞を述べた。青柳氏は基調講演も行い、文化事業は公共事業以上に経済波及効果が大きいと指摘した。こまつ歌舞伎未来塾邦楽舞踊教室が長唄「勧進帳」を披露した。

 サミットは16年に始まり、北陸では18年の高岡市に次ぐ開催となる。うらら、こまつの杜わくわくコマツ未来館、サイエンスヒルズこまつを主会場に2日間の日程で開かれる。

えきねっと びゅう国内ツアー

加賀・白山・小松 ニュース

加賀・白山・小松
イベント

加賀・白山・小松
スポット