美術公募展「美の祭典 越中アートフェスタ2021」が20日、県民会館で開幕した。斬新な視点が光る絵画や写真、社会の課題を浮き彫りにした造形作品など幅広い世代の入賞・入選作525点を展示。来場者は、型にはまらない独創性あふれる力作に見入った。24日まで。入場無料。
アートフェスタはジャンルの垣根やサイズ制限を取り払い、自由な創作活動に光を当てる公募展。16回目の今回は、立体と平面の両部門に昨年より70点多い計527点の応募があった。
10代以下の出品は92点で前回の約5倍になった。新型コロナウイルスの影響で県青少年美術展が中止されたことに加え、若者を対象にした賞の新設や中学生以下の出品料無料化が若い世代の創作意欲を高めたとみられる。入賞・入選作の最年少は4歳、最高齢は88歳だった。
会場には枕木を断面から捉えた梅木宏真さんの大賞受賞作の写真「矜持(きょうじ)」をはじめ、段ボールでサルやトラを生き生きと表現した立体作品、伝統技法を現代的なデザインに昇華させた工芸品など、新しい発想の意欲作が並んだ。
受賞者が作品の前で制作意図を解説する姿も見られた。
毎年来場している富山市の自営業、和泉弘昌さん(67)は「例年以上にじっくりと仕上げたように見える大作が多く、強い刺激を受けた」と話した。
開会式と表彰式があり、新田八朗知事と駒澤北日本新聞社長があいさつ。実行委員長の西藤哲夫県美術連合会長が祝辞を述べた。大賞の梅木さんに賞状と副賞20万円が贈られた。
県と県芸術文化協会、県美術連合会主催、県文化振興財団と北日本新聞社共催。