富山市ファミリーパーク(同市古沢)は22日、繁殖のため横浜市金沢動物園に移していた国の特別天然記念物ニホンカモシカの雄「カイ」(8歳)を7年ぶりに迎え入れた。近く雌も搬入する予定で、職員は赤ちゃん誕生に期待を寄せている。
カイは、体長約95センチ、体重約38・5キロ。2013年に同パークで生まれ、翌年繁殖のため金沢動物園に移した。日本動物園水族館協会の繁殖計画に基づいて"古里"に戻り、同パークの飼育数は雄3頭、雌2頭になった。
陸路で7時間かけて来たカイは、木箱に入ったままカモシカ舎に運び出された。内側から箱に体当たりするなど興奮した様子を見せた。約2週間の検疫を経て展示される。
年内に神戸市王子動物園から雄と雌1頭ずつを追加で搬入し、雌をカイの「お嫁さん」候補にするという。
同パークでは、1984年の開園以来計15頭の繁殖に成功しているが、近年は誕生していない。堀口政治動物課長代理は「赤ちゃんが誕生すれば来園者に早く見てもらいたい。県獣のカモシカに関心を持ってほしい」と話した。