完成した仁王像を眺める石原さん(右)と山崎さん=南砺市山見

完成した仁王像を眺める石原さん(右)と山崎さん=南砺市山見

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3Dデータで井波彫刻の仁王像 大型造形正確に

北日本新聞(2021年11月30日)

 井波彫刻の仏師、石原良定さん(49)=南砺市山見(井波)=が、県産業技術研究開発センターの協力を得て、3次元データを活用して高さ2・5メートルの仁王像を作った。井波彫刻では珍しい試みという。

 仁王像は静岡県熱海市の寺院「保善院」から依頼を受けて制作した。

 口を開けた阿形(あぎょう)と、閉じた吽形(うんぎょう)の2体1対でヒノキの寄せ木造り。井波彫刻師の山崎新介さん(54)=南砺市北川(井波)=と共同制作した。

 石原さんは実寸の5分の1サイズの像を事前に作り、同センターデジタルものづくり課(高岡市二上町)の協力で、3次元スキャナーで形状を読み取った。データを基にさまざまな角度から把握した上で、ヒノキを丁寧に彫って仁王像を仕上げた。

 センターによると、立体造形は完成サイズが大型になるほど、細部にずれが生じる可能性が起きやすいが、データの活用で誤差が生まれにくくなるという。

 12月3日に保善院に納品し、同8日に現地で開眼式が開かれる。石原さんは「歴史ある寺を守り続ける存在になってほしい」と願った。

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