自慢のコーヒーを提供する能澤さん(左)=嘉太郎珈琲

自慢のコーヒーを提供する能澤さん(左)=嘉太郎珈琲

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伏木・勝興寺近くカフェ続々 観光途中に立ち寄りPR

北日本新聞(2021年11月30日)

 高岡市伏木地区中心部でカフェの出店が相次いでいる。誕生した3店舗はいずれも地区住民や出身者など伏木にゆかりのある3人が経営しており、今年3月に「平成の大修理」を終えた国重要文化財・勝興寺(同市伏木古国府)を訪れた観光客を自慢の味でもてなそうと張り切っている。

 伏木地区には勝興寺の大修理完工以来、大勢の観光客が訪れているが、休憩できる場所は限られ、車ですぐに地区を後にする人は少なくないという。

 3店は春先から今月にかけて登場した。その中の一つ、「開昆布店」(同市伏木古国府)は、射水市内でカフェを営んでいた地区出身の松野聡子さん(52)が、今月12日に同寺参道沿いに移転オープンさせた。祖父の代から続く昆布販売店をリノベーション。自慢の昆布をふんだんに使ったご膳を提供している、住民からは体に優しい惣菜のテークアウトも人気という。

 今春、リニューアルオープンした「尾山珈琲」(同市伏木中央町)は、IT企業経営者だった岡本実人さん(65)が、義父が営んでいた店を受け継いだ。もともとは酒店の一角で常連客限定の喫茶スペースとしていたという。浅煎(い)りのコーヒーや、酒かす入りのチーズケーキが人気を集める。

 9月に開店したのはオリジナルのブレンドコーヒーが自慢の「嘉太郎珈琲」(同町)。店主の能澤隆廣さん(59)が「住民が語り合える場をつくりたい」と、建築資材販売から離れ、新たな道を歩み出した。店名は祖父の名前から取った。コロナ禍の巣ごもり中に焙煎(ばいせん)技術を磨き、メニューのプリンは手作りしている。

 各店主たちは、観光客だけでなく、「住民にも息抜きに立ち寄ってもらいたい」とし、「新しい店が続々と出店することは刺激になる。協力して伏木のにぎわいづくりにつなげていきたい」と意欲を見せている。

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