雪椿発見・命名の地、新潟県阿賀町で、雪椿の種から採取したオイルを使ったハンドクリームが開発され、町内などで販売されている。企画した地元建設会社「巴山(ともやま)組」は「町の雪椿のブランドを高めて、地域おこしにつなげたい」としている。
雪椿を町の地域資源として活用しようと、巴山組は、休耕地で栽培。2015年10月からは、種から搾油し食用の雪椿オイル「アガノユキツバキ」(12ミリリットル入り、3千円)を製造販売している。雪椿は低木で、高齢者でも種を採取しやすい。商品化することで、町の雇用や産業振興につなげたいとする。種30キロ当たりで約3リットルしか採れない貴重品だ。
雪椿オイルの高い保湿成分に注目し、ハンドクリームの製品化を考えついた。商品開発担当の長谷川三千代さん、上原奈都さん、猪俣夏来さんを中心に約1年半かけて企画を進めた。
製品製造は大阪のメーカーに依頼。完成した商品は雪椿オイル2%を含む。試作を繰り返し、オイルを3%以上含んだクリームはオイルが強く手がべたつき、2%がさらりと手になじんだという。香料は入れず、強い香りはしない。
箱や容器のデザインは白を基調に薄墨で描いたような雪椿の絵。「つがわ狐の嫁入り行列」をイメージさせる和のストーリー性を持たせた。日常使い用に容器の大きさもバッグに入れやすさに配慮した。
猪俣一成専務は「新しいお土産や贈り物として使ってもらいたい」と話している。
40グラム入り1800円(税別)。町内温泉旅館、道の駅阿賀の里、新潟伊勢丹などで販売している。
問い合わせは巴山組、0254(95)2316。